私シロウミは、2021年の12月に鎌倉にある人工関節センターにて人工股関節置換手術を受けました。50代前半での手術です。
この記事は、以下のような方に向けて書きました。
- 人工股関節置換手術をどこで受けようかなぁと迷っている方
- 鎌倉の人工関節センターって有名だけど、実際のところはどうなのと知りたい方
- 人工股関節置換手術の前にどんな準備があるのか知りたい方
- 金属アレルギーがあるけど、手術前にどう検査してもらったらいいのか情報を求めている方
- 手術前にどんな物を揃えたらいいのか迷っている方
- 人工股関節置換手術を考えていて犬を飼っている方
人工股関節手術(MIS)前の、以下の準備についてまとめてあります。
- 整形外科、歯科、皮膚科の受診
- 必要な書類の準備
- 必要な物を購入して、術後の環境を整える
- 退院後の犬の散歩の準備
何かしらお役に立ちましたら感謝です。
鎌倉の人工関節センターを受診して手術を決意する

鎌倉の人工関節センターに初診のために電話すると
鎌倉の人工関節センターを受診するときには、初診専用の番号に電話するのですが、そのときに確認されるのが以下の2点です。
- 現在通っている病院(整形外科)にて、手術適用だと診断されているかどうか
- 家族など誰かが付き添いで一緒に来てくれるかどうか
①については、あらかじめ他の整形外科で診断してもらう必要があります。
鎌倉の人工関節センターは人工関節置換手術に特化した病院なので、当然といえば当然ですね。
また私の場合は、整体だけしか通っていなかったので、慌てて近所の整形外科に飛び込みレントゲン撮影などをしてもらいました。
そのときに別の大学病院を勧められたのですが、入院日数の短さなどからやはり人工関節センターを選びました。
②については、私の場合は主人が仕事を休んで付き添ってくれましたが、もしどうしても付き添ってくれそうな人が見つからない場合は、病院と要相談になるかと思います。
①、②がOKとなって初めて予約可能な最短の日時を教えてもらえます。
鎌倉の人工関節センターの初診は予約してから数ヶ月先
予約できる初診の日時はだいたい数ヶ月先(私のときで3ヶ月先)です。
初診時の電話番号や曜日などは、鎌倉の人工関節センターのHPでご確認ください。
私は初診時に手術を勧められる
私の場合は、 やはり初診時に人工股関節置換手術を勧められました。
左右の足の長さは3cmも異なるし、だいぶ変形が進んでいるし、左足に負担をかけないためにはそのほうが良いと言うことで私も主人も異存ありませんでした。
私の場合は、初診から1年後に手術となりました
最短で初診から4ヶ月後に手術の予約ができそうでしたが、自分の都合もあり、結局初診から1年後の手術となりました。
手術の予約ができるのが半年前からだそうで、
初診 → 半年後に再診して半年後の手術を予約
の流れになりました。
まだ50代なので再置換手術は必要になるの?
私は50代前半なので、どこかのタイミングで人工股関節のライナー(大腿骨の軟骨の代わり)を交換する手術が必要になるかもしれないとのことでした。
人工股関節の全取替え(再置換手術)ではなくライナー部分のみの交換だったら負担が少なそうで助かりますが、場合によっては再置換手術を受ける可能性もあります。
病院の資料によると、人工股関節は60%の人が20年間再置換無しでもっているようです。
股関節の変形が進んだ右足は骨粗鬆症だった
ちなみに、身体全体の骨密度はしっかりしていましたが、股関節の変形が進んでしまった右足は完璧な骨粗鬆症でした。「体重をかけない=使わない」ので、仕方ないですね。
それでも人工股関節を挿入できました。
理学療法士さんに教えてもらうリハビリテーションは大事
初診時と通院時に理学療法士さんにも身体全体を診ていただきました。
私の場合は右股関節が悪いので、右足になるべく力を入れないように歩く癖がついているため、重心を左側で取っていて体全体がゆがんでいることを指摘されました。
また右側臀部の筋肉を鍛える体操を教わりました。
ついサボりがちになってしまいましたが、このときに教わる体操は手術の後の回復にもつながってくるのでとても大事です。しっかり覚えて、自宅で行いましょう。
mymobilityアプリの使用を開始する


再診で手術日が決定したときに、mymobilityというアプリを紹介されてスマホにダウンロードしました。
mymobilityは人工股関節のメーカーさんが作成したアプリで、手術日に合わせていろいろな情報を送ってくださったり、歩いた歩数が表示されたりして便利です。
手術に関する情報はあとから見直せるので安心です。
手術前は通院が忙しい
2回の貯血や手術前の検診などがあるので、手術前1ヶ月位から通院で忙しくなりますね。
虫歯の治療などは、手術2ヶ月前までに済ませた方が慌ただしくなくてすみます。
歯科に通院して虫歯を完治させた

虫歯の治療は、感染症を防ぐために必須のようです。
手術2ヶ月前には完治させました。
皮膚科に通って、金属アレルギー検査を受けた
手術前の貯血の診察のときに、
あ〜、昔ですけどね、ネックレスをしてて汗かいたときに痒くなったことあります。ま、かなり昔だし、大丈夫だと思いますけどね。
と、軽い気持ちで申告したところ、金属アレルギー検査を受けるハメに…。これが意外と大変だったんです。
金属アレルギーのパッチテストをしてもらえる病院を探す
「金属アレルギー検査 病院 ○○県」などとグーグル検索して、「金属アレルギーのみのパッチテスト」をしてもらえる病院を探します。
金属アレルギーのパッチテストは一度に15種類以上の金属についてアレルギー検査が行なわれます。
病院のHPに「金属アレルギー検査」と記載されていても、「アレルギー検査 金属も含む」の場合があり、この場合は検査が必要な金属が該当しなくなってしまいます。
不明なときは、病院に直接電話して確認してみましょう。
アレルギー検査が必須なのは以下の5種類の金属
アレルギー検査が必須の金属は以下の5種類です。
- コバルトクロム
- ニッケル
- スズ
- チタン
- 水銀
ただし、この中の「チタン」は、アレルギー検査が受けられるところはほとんど無いらしい。
どうしてかというと、チタンは一番アレルギーを起こしにくい金属だからです。
皮膚科の看護師さんによると、
昔はK大学病院さんでチタンも検査してくれたそうなんですけどね。今はどうかしらねぇ…。
ということだそう。
金属アレルギー検査には、まるまる1週間かかる
金属アレルギー検査は、最初に受診したときに背中に試薬を貼り付けます。
試薬は錠剤のようなものに染みこませてあって、それがフィルム上に列になって並んでいます。
試薬を貼り付けた後は、
→ 48時間後に試薬をはがしてアレルギー反応を確認
→ 72時間後にも確認
→ 7日後に最終確認
と、時間差でアレルギー反応を確認していきます。
まるまる1週間かかり、皮膚科には合計4回通わないといけません。
病院の定休日なども考えると、初診の曜日が限られてきます。
金属アレルギー検査に行くときには、あらかじめ病院に電話をして最初に何曜日に受診したらいいか確認したほう確実です。
また金属アレルギー検査は、時間がある1回目の貯血前に済ませておくのが理想的ですね。
私の場合は1回目の貯血後に慌てて通ったので、ちょっとぎりぎりになってしまって焦りました。
私は大和駅前にあるスキンクリニックで検査してもらいました
私は大和駅前にあるスキンクリニックで金属アレルギーのパッチテストを受けました。混み合っていましたが、丁寧に検査していただけました。
大和皮膚科クリニック:金属アレルギー検査のページ
限度額適用認定証など必要な書類を申請しました

通院している合間に、限度額適用認定証や民間の手術保険の申請書類などを取り寄せました。
限度額適用認定書は早めに申請
人工股関節置換手術のために1週間ほど入院すると、150万円ほどかかります。
3割負担の場合は50万円ほど支払う計算になりますが、「高額療養費制度」があるので実際の自己負担額はもっと少なくなります(差額ベッドなどの自費ぶんは除く)。
私は手術のおよそ2ヶ月前に、健康保険に「限度額適用認定証」を申請して入手しました。
入院時に「限度額適用認定証」を提示して、帰り際の窓口での支払いは高額療養費制度が適用されたあとの自己負担額だけになりました。
民間保険の手術給付金の申請書を取り寄せて、必要になる病院側の書類を確認
民間の手術保険に加入していましたので、手術給付金の申請書などを取り寄せておきました。
保険会社によっては、スマートフォンから手続きできるところもあるようですね。
また、 給付金の申請時に必要になる病院側の書類も確認しておきました。
私の場合は、退院のときに渡される領収書や明細書のコピーで大丈夫でした。
保険会社によっては、正式な診断書が必要になることもあるようです。
手術前に手術後の生活環境を整えておく

- 股関節の負担を減らすために、手術後は和式から洋式の生活に変える必要がある
- 手術後しばらくは重いものは持てない
- 手術後しばらくはかがめない
などの理由から、手術前に必要な物を買い揃えて、退院後の生活が不便が無いようにしておきました。
手術&入院代は、高額療養費制度と民間の保険でほぼまかなえたのですが、こちらの品物を準備するのに思っていたより費用がかさみました。
準備した物・サービスはだいたいこんなところ。太字の物は必要度大です。
- ベッド
- 介護用シャワー椅子
- マジックハンド
- ソックスエイド
- ボディブラシ
- 風呂掃除用のモップ
- 折りたためるキッチンスツール
- 杖、室内用も
- 車輪付きの洗濯カゴ
- 冷凍の宅配弁当
- ネットスーパー
ベッドはレンタルで

我が家はずっと畳の部屋に布団を敷いて寝ていましたが、ベッドを用意することにしました。
できれば布団に戻りたいなぁ…、と考えているため、購入よりも気軽なレンタルで済ませることにしました。
なおこちらのベッドは、高さが床から41cmぐらいあるので、腰掛けたときに股関節を深く曲げなくてすみます。
取扱ショップは、「家具レンタルサービスflect」です。
介護用シャワー椅子で安心

腰掛けたときに股関節を曲げすぎないように、高さが調節できる椅子を購入しました。
座面がしっかりしているので、安定していて座っていて安心感があります。
腰かけたときに、膝よりお尻の位置が少し高くなるように調節するとGoodです。
マジックハンドもいろいろな場面で必要です


ズボン類の着脱時、床に落ちた物を拾うときなどに、マジックハンドの使用は必須。
かがめないので、つま先や床に手が届かないのです。
かなり細かい物も拾えるし、ちょっと離れた所に置いてあるリモコンなどもつかめるので便利ですよ。
ソックスを履くのにはソックスエイド

手術後はかがめずにつま先に手が届かなくなるので、普通にソックスが履けないのです。
そのため、このようなソックスを履くための道具を用意しておきます。
これは便利でした。ソックスをかぶせておくと、するっと履けます。
注意点ですが、履くときにくるぶしの下にあったってしまうと、結構痛い。
ソックスエイドがフリーサイズ&私の足が小さめ(22.5cm)
だからですね。なるべくあたらないように、注意して履けば大丈夫なんですが。


ボディブラシも必須

術後はかがめないので、膝から下を洗うのが難しくなります。
100円ショップで、ボディブラシを用意しました。
これは、入院中から活躍しました
風呂掃除用のモップ

かがめないことを想定して、風呂掃除用にモップを購入しました。
かがまなくていいし、そんなに力を入れなくても浴槽に付いたアカが落ちてツルツルになり、想像以上に便利でした。

引き続き、今でも愛用しています。
折りたためるキッチンスツール

退院後すぐに料理をするときに、ちょっと腰掛けられるキッチンスツールがあるとラクで便利です。
我が家の場合は、新たに購入せずにもともと踏み台を兼ねたキッチンスツールがありました。
1ヶ月もすると不要になりますので、新たに購入する場合は、折りたためるタイプのものが場所をとらなくていいと思います。
以下のような踏み台も兼ねたタイプが、安定性もあってオススメです。
杖は、室内用もあった方が無難

術後は、しばらく家の中でも杖をついて移動します。
そうすると、外と家の中と使い分けたくなるんですよね。
今まで杖を使っていなかった方も、術後数週間は杖は必要だと思います。
杖は、長さがなるべく細かくもしくは無段階で調節できるタイプをオススメします。
ぴったりの高さに合わせやすくて使いやすいです。
人工関節センターのリハビリの理学療法士さんのところへ持って行くと、ちょうど良い長さに調節してくれます。
車輪付きの洗濯カゴ

家族の人数は少ないのに、毎日5kg以上の洗濯物がありました。
子どもがスポーツをやっている上に何だかきれい好きで…。
冬なんてもうかさばるし、水分を含んで重くなることこの上無い。ふと、
コレ、手術後の身体で持ち上げられるかな…?
と不安になってしまった私。
ちょうど100円ショップで買ったプラの洗濯カゴが裂け始めていたので、「えいやっ」とちょっと高価な車輪付きの洗濯カゴを購入してみることにしました。
感想は、
買っておいてよかった、助かった!
でした。術後1ヶ月位は、洗い上がった洗濯物をカゴに入れて、ポールにつかまりソロソロとゆっくりベランダまで移動していました。
今はもちろん、カゴだけ外して持ち運べています。
※私が購入したランドリーラックは売り切れだったため、近い感じの商品を掲載してあります。
冷凍の宅配弁当

入院している間の家族(夫と子ども)の食事用に、冷凍の宅配弁当も利用しました。
退院後にも、台所に立つのもおっくうなときがあります。
そのようなときのためにあらかじめ、冷凍庫にストックしておくと便利。
ご飯とインスタントスープとセットにすれば、あっという間に1食が作れてしまいます。
さすがに手作りよりはお値段がかかっちゃいますが、外食や出前と比較すればお得だと思います。
我が家の場合は、「FIT FOOD HOME」を利用しました。
添加物が使用されていない冷凍弁当で、安心して食べられました。
ネットスーパー
退院後しばらくは外出できないと聞いていたので、入院前に近所のネットスーパーを探して会員になっておきました。
実際には手術後2週間ほどは家にこもっていたので、買い物はまったくもって無理でした。
ちょっとした物だったら家族に頼めるものの、何というか主婦感覚が必要な「1週間ぶんの献立を何となく考えながらまとめて食材を購入」というのはなかなか頼めません。
値段を見ながら、献立を考えることもあるし…。
いろいろなネットスーパーを比較検討してみて、近所にあって頼みやすかったイオンのネットスーパーを利用することにしました。
さすがにちょっと割高ですがそれなりに品揃えもあって、普通にスーパーで買い物する感覚で注文できるのは良いです。
玄関先まで配達してもらえて、ネットスーパーは大助かりでした。
犬を飼っている場合は、退院後の散歩を頼める人を手配しておく

犬を飼っている方は、入院中の犬のお世話については準備していらっしゃると思います。
あと退院後しばらくは、誰か犬の散歩を代行してくれる人を手配しておきましょう。
人によるとは思うのですが、手術後3週目ぐらいまでは犬の散歩は無理と考えておいた方がいいです。「入院期間+2週間」ですね。
外を順調に歩けるようにならないと、散歩は難しいですから。
大型犬で引っ張り癖がある場合は、散歩ができるようになるまでにはもっと時間がかかるかもしれません。
家族の誰かにお願いできればよいのですが、無理な場合は、手術前にあらかじめペットシッターさんや近所の方などに頼んでおく必要があります。
シルバー人材センターに犬の散歩を頼める場合もある
地域によるのですが、我が家の近所ですと「シルバー人材センターに犬の散歩を頼んだ」という方がいらっしゃったようです。
ペットシッターさんに頼むよりも安く済むかと思われますので、興味のある方は一度、お住まいの地域のシルバー人材センターなどに問い合わせてみてはいかがでしょうか。
人工股関節置換手術(MIS)前の準備のまとめ
この記事では、人工股関節手術(MIS)前の準備についてまとめました。
- 整形外科、歯科、皮膚科の受診
- 必要な書類の準備
- 必要な物を購入して、術後の環境を整える
- 退院後の犬の散歩の準備
手術を考えている方、実際に準備を進めている方に、何かしらお役に立てますように…!
よろしかったら、こちらの記事もご参考にしてください。