こんにちは。
シロウミは、茨城県南部I市の出身です。
茨城県の形って、ムーミンの顔みたいじゃないですか?
その顔のように膨らんだ下の部分のちょうど真ん中あたりがI市。
その地元では普通に使っていたけれど、地元を出てからはパッタリ聞かない、独特な茨城弁は以下の6つ。
- 青なじみ
- ごじゃっぺ
- いじゃける
- しみじみ
- いしこい
- でれもさ
この記事ではそれぞれの茨城弁と茨城訛りについて詳細に説明しますね。
独特な茨城弁6選

青なじみ
膝などをぶつけたあとにできる、青アザのことですね。
何かこう、血がにじみつつあるのが伝わってくる感じがしませんか?
そのうちに、内出血した血が回りの組織になじんで消えていくからこういう言葉なんでしょうか…。
ごじゃっぺ
- ナニごじゃっぺ言ってんだよ。
- そんなごじゃっペすんじゃねーよ。
というように使います。
「良い加減」でなくて、
- いいかげんなこと
- テキトーなこと
というあまり良くない意味合いですね。
これは本当に良く使っていました。
いじゃける
- そんなこと言われたらいじゃけっとー。
- おー、いじゃけんなあ。
腹が立つ、という意味合いの動詞ですね。
お腹のはらわたのあたりで、何やらフツフツと煮え立っている怒りをよく表している言葉だな、と思っています。
ちょっと怒っている、というよりは、だいぶ怒っているときに使われまね。
また、ずっと根に持っているというより、瞬間湯沸かし器のような腹立ちに適用されますね。
しみじみ
標準語にも「しみじみ」はありますが、意味合いがだいぶ異なります。
- もうちょっとしみじみ勉強しろ〜
- あの集まりは、ナンかしみじみしねーんだよ
という使われ方。
- しっかりしている
- 徹底している
- 満足のいく感じ
という風に使われる形容詞ですね。
これは主人(大阪出身)が「お義母さんの“しみじみ”の使い方は面白いねぇ。」と言っていて、「ああ、独特の意味合いなんだな、」と気がついたのでした。
いしこい
- いしこい梅干しだなぁ。
- この靴、いしけーなー。
みじめで品質が悪い、といった感じの形容詞ですね。
梅干しが例だとすると、小さくてしわくちゃで固くて、果肉の部分がほとんど無いような場合に使われますね。
でれもさ
- おめーは本当にでれもさだなぁ。
- でれもさしてねーで早くやれ。
という風に使われる名詞で、でれでれもさもさしていて、「ぐうたら」「のろま」という意味合いの単語。
ちなみに、私シロウミは、ずっと「でれもさ」と言われ続けて育ちました(笑)。
テキパキしていずに、動きものんびりだったし、働き者では無かったし、言われたことすぐにはやらなかったし…。
しょうがないですね(笑)。
方言というのは地域限定の流行語だったのか?

みんな個性的な言葉だなぁ、と思うのですが、特に「いしこい」「でれもさ」あたりはネットでもあまり見かけないですね。
もしかしたら、茨城県の中でも南部の方とか、地域限定の方言なのかな?と思ったときに、方言というのはもともと昔の地域限定の流行語なのかな?、と考えたのです。
昔は、冠婚葬祭、農作業などで、親族や近所の人たちで集まる頻度が今よりも高かったですよね。そして今のように人は広範囲には移動しないから、ある限られた地域のみで使われてその辺りの方言として定着していく。
などと考えていましたら、そのような方言のでき方の説があるのですね。
柳田國男さんの方言周圏説(ほうげんしゅうけんせつ)という仮説です。
参考:Wikipedia「方言周圏説」
「方言の語や音などの要素が文化的中心地から同心円状に分布する」という説ですが、この説の文化的中心地というと江戸や京都になりますね。残念ながら地方ではありません。
となると、私シロウミの仮説は「地方流行語限定周圏説」という感じでしょうか。
小さな人の集まりにも文化があったでしょうし、その中心から周りに言葉が広まることもあったのではと思います。
茨城訛りの特徴は?
茨城なまりは語尾が破裂音の「ぺ」で終わる

茨城なまりは、語尾に「ぺ」が含まれることが多いです。
「べ」ではなくて「ぺ」。
「しっかり仕事すっぺ。」「んだっぺよな〜。」と、ペッペッと唾を飛ばしながら話します。
「ぺ」は破裂音なので、人によってはきつく感じられることがあるようです。
関西の方が茨城なまりを聞くと、ケンカ腰に聞こえる
高校生の時、中国関西方面に修学旅行に行ったおり、京都のバスガイドさんがこのようにおっしゃっていたのが印象に残っています。
「京都のことばは柔らかくはんなりとしていますね。ですから、関東地方、特に北関東にお住まいの方達が話す言葉を聞くと、このあたりの人間にはケンカをしているように聞こえるんですよ。」
なるほどな〜と思いました。破裂音で終わるのできつく聞こえるのでしょう。
茨城は無アクセント地帯に含まれる

茨城県を含むこの辺り、南東北〜北関東のこの辺りですけれども、この辺りは無アクセント地帯だそうです。
無アクセント地帯というのは、辞書によると、アクセントがその時々で変わる地帯だそう。
実感としては、文章の中にアクセントやイントネーションがあまり無く全体的に平坦でした。
例えば「あの〜ぅ。さっきの件なんですけどお。」という文章の場合、「あの〜ぅ。」で山の形のイントネーションで、「さっきの件なんです」の部分は平坦で、最後の「どお。」だけ尻上がりになる感じです。
無アクセント地帯出身者はアナウンサーになれない?
高校生の時に社会の先生が、この辺りは無アクセント地帯なので、茨城県出身者はアナウンサーには向かないしなりにくい、とおっしゃっていました。
関西弁の方は、関東(標準語)とアクセントが真逆でひっくり返せばいいので、意外と大丈夫なんだとか。
しかし現実には、茨城県出身のアナウンサーも多数おられますね。
その方々は、きっとアナウンサーを志した瞬間からアクセント辞典を手放さず、並々ならぬ努力をされていたのだろうなと想像します。
方言は、やっぱり懐かしいね

茨城県出身のタレントさんの動画を拝見していると、語尾のイントネーションなどが「分かる分かる、同郷!」と思えますね。ちょっと懐かしい感じです。
娘も、「あ、おばあちゃんと同じだ〜。(^_^)」と言っています。
他の地方の方々はどのような印象を持たれるのでしょうか?
以上、茨城I市出身者が解説する茨城弁と茨城訛りでした!